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市原 義孝*; 中村 尚弘*; 森谷 寛*; 堀口 朋裕*; 崔 炳賢
日本原子力学会和文論文誌, 21(1), p.1 - 14, 2022/03
本研究は、鉄筋コンクリート構造物の非線形性の影響を近似的に等価線形解析手法による地震応答解析で評価することを目的に、1996年にOECD/NEAによる国際解析コンペで使用された原子炉建屋耐震壁終局応答試験の三次元有限要素法によるシミュレーション解析を実施した。耐震壁の等価剛性及び等価減衰は、日本電気協会が提案するトリリニア型スケルトンカーブ、Cheng et al.が提案する履歴曲線より求め、せん断ひずみ調整ファクターは感度解析より0.70に決定した。その結果、せん断ひずみ=2.010程度までの試験体上部の卓越振動数,最大応答加速度,最大応答変位,慣性力-変位関係,床応答スペクトルを良く再現できることを明らかにした。本報における等価線形解析は、=4.010程度の終局破壊時の最大応答変位を過小評価している。このため、破壊直前の急激な変位の増大を含む試験結果の評価に本手法を適用する場合は、その適用性に十分留意する必要がある。
鶴 大悟; 櫻井 真治; 中村 誠俊; 尾崎 豪嗣; 関 洋治; 横山 堅二; 鈴木 哲
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1403 - 1406, 2015/10
被引用回数:3 パーセンタイル:25.85(Nuclear Science & Technology)Carbon Fibre-reinforced Carbon (CFC) monoblock target for JT-60SA divertor is under development toward mass-production. A CFC monoblock, a CuCrZr cooling tube at the centre of the monoblock and a interlayer were bonded by vacuum brazing in a high temperature, into a target. After the bonding, strong tensile stress was generated in the CFC monoblock around the CuCrZr cooling tube in a room temperature condition due to difference of thermal expansions between CFC and CuCrZr. In the previous trial productions, only half targets passed the acceptance test. In this research, a new structure of the targets was proposed, to reduce residual thermal stress and to depress the degradation of heat removal capacity of the targets, toward the mass-production. Some measures were implemented on the proposed. The effectiveness of the measures were evaluated by numerical simulations. Thermal performance of target mock-ups with the proposed were evaluated.
高山 裕介; 佐藤 稔紀; 尾上 博則; 岩月 輝希; 三枝 博光; 大貫 賢二
第43回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.313 - 318, 2015/01
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、結晶質岩を主な対象とした深地層の科学的研究を実施している。その一環として、瑞浪超深地層研究所の深度500m研究アクセス北坑道において、坑道の冠水に伴う力学・水理・化学特性の長期変化を複合的に把握する技術の開発を目的として、坑道規模の複合試験(再冠水試験)を実施している。本研究では、坑道冠水に先立ち、坑道内で使用する支保工や埋戻し材(コンクリートや粘土(ベントナイト材料))が周辺岩盤へ与える影響を予察的に推定するための、力学・水理連成現象の解析を実施した。本解析結果は、連成現象を把握するための観測機器の配置や、坑道内で使用する坑道の埋戻し材料の仕様等を決定する際の参考にする。
稲葉 良知; 大橋 弘史; 西原 哲夫; 佐藤 博之; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 高田 昌二
Nuclear Engineering and Design, 235(1), p.111 - 121, 2005/01
被引用回数:8 パーセンタイル:49.16(Nuclear Science & Technology)HTTR水素製造システムのモックアップモデルである実規模単一反応管試験装置を用いて、定常運転状態からプロセスガス供給量をステップ状に変化させ、水蒸気改質器における化学反応量に変動を与え、過渡時の制御特性を調べる試験を行った。その結果、原子炉へ影響を及ぼすことなく、水素製造システムを安定に制御できることを確認した。また、得られた試験結果と熱物質収支解析コードによる解析結果とを比較したところ、よく一致した。
高田 英治*; 中川 繁昭; 高松 邦吉; 島川 聡司; 野尻 直喜; 藤本 望
JAERI-Tech 2004-048, 60 Pages, 2004/06
高温ガス炉の固有の安全性を定量的に実証するため、高温工学試験研究炉(High Temperature Engineering Test Reactor: HTTR)において、反応度投入及び炉心除熱量減少を試験として実機の原子炉で生じさせる安全性実証試験を実施している。安全性実証試験の1つである制御棒引抜き試験について、1点炉近似モデルにより試験時の動特性解析を実施した。実測値と解析値の比較から、1点炉近似モデルが試験の結果を再現できることを確認した。また、添加反応度,温度係数,物性値等の各パラメータについて、制御棒引抜き事象に対する原子炉動特性への感度を明らかにした。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 古澤 孝之; 橘 幸男
JAERI-Tech 2004-045, 67 Pages, 2004/04
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。安全性実証試験のうち、1次冷却材流量の低下を模擬した試験である循環機停止試験において、1次加圧水冷却器用ヘリウム循環機3台のうち1台あるいは2台が停止される試験が2002年から2005年に実施され、全3台を停止する試験が2006年以降に計画されている。本報は、安全性実証試験における循環機1台あるいは2台停止時の加圧水冷却器の構造健全性を確認するとともに、循環機3台停止時の1次系内の自然対流発生の可能性について、出力上昇試験中に実施されたスクラム試験の実測データをもとに検討した結果を示す。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 高松 邦吉; 高田 英治*; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; 栃尾 大輔; 橘 幸男; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 2004-014, 24 Pages, 2004/02
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また実用高温ガス炉及び第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。本報は、2004年に計画している制御棒引抜き試験,循環機停止試験,流量部分喪失試験の試験内容,試験条件,事前解析結果等について述べたものである。事前解析の結果、炉心の負の反応度フィードバック特性により原子炉出力が低下し、原子炉が安定に所定の状態に落ち着くことが明らかとなった。
中川 繁昭; 坂場 成昭; 高田 英治*; 橘 幸男; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; 沢 和弘
JAERI-Tech 2003-049, 22 Pages, 2003/03
高温ガス炉の固有の安全性を定量的に実証するために、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験を行う。安全性実証試験のうち第1期の試験では、異常な過渡変化に相当する試験(ただし、スクラムなし)として、制御棒の引抜き試験及び1次冷却材流量の低下を模擬した試験を実施し、第2期の試験では、事故を模擬した試験を重点的に行う計画である。試験に対する挙動解析と実測データの比較検討により、炉心動特性コード,プラント動特性コード等の安全評価コードの高精度化と検証を行い、十分信頼性のある安全設計・評価技術を確立する。これらの成果は、高温ガス炉の安全設計方針,安全評価方針等の作成に役立てる。本報は、HTTRの安全性実証試験全体計画を示すとともに、2003年3月に計画している制御棒引抜き試験及び循環機停止試験の試験内容,試験条件,事前解析結果等について示す。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 橘 幸男
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.293 - 299, 2003/00
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。安全性実証試験のうち第1期の試験では、異常な過渡変化に相当するものとして、制御棒の引抜き試験及び1次冷却材流量の低下を模擬した試験を実施し、第2期の試験では、事故を模擬した試験を重点的に実施する計画である。本報では、安全性実証試験の全体計画及び循環機停止試験の試験方法,試験条件,解析結果及び試験結果について述べる。循環機停止試験の結果、循環機停止による1次冷却材流量の急激な低下の後、原子炉スクラムを伴わずに、炉心の負の反応度フィードバック特性のみにより原子炉出力が低下・整定することが明らかにされた。
竹田 武司; 中川 繁昭; 本間 史隆*; 高田 英治*; 藤本 望
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.986 - 995, 2002/09
被引用回数:4 パーセンタイル:29.25(Nuclear Science & Technology)HTTR(高温工学試験研究炉)は、黒鉛減速,ヘリウムガス冷却型の日本で初めての高温ガス炉である。HTTRは、2001年12月7日に初めて定格運転で全出力(30MW)を達成した。HTTRの出力上昇試験の中で、スクラムを伴う異常な過渡変化のシミュレーション試験を30MW運転からの商用電源の手動遮断により実施した。商用電源喪失直後、ヘリウム循環機,加圧水ポンプはコーストダウンし、ヘリウム及び加圧水の流量はスクラム設定値まで減少した。16対の制御棒は、設計値(12秒)以内で重力落下により炉心に2段階で挿入した。商用電源喪失から51秒で、非常用発電機からの給電により補助冷却設備は起動した。補助冷却設備の起動後40分で、炉心黒鉛構造物(例えば、燃料ブロック)の過渡な熱衝撃を防止するため、補助ヘリウム循環機2台のうち1台を計画的に停止した。補助冷却設備の起動後、炉内黒鉛構造物である高温プレナムブロックの温度は継続的に低下した。HTTR動的機器のブラックアウトシーケンスは設計通りであった。商用電源喪失シミュレーション試験により、スクラム後のHTTRの安全停止を確認した。
竹田 武司; 中川 繁昭; 藤本 望; 橘 幸男; 伊与久 達夫
JAERI-Data/Code 2002-015, 39 Pages, 2002/07
HTTR(高温工学試験研究炉)は日本で初めての高温ガス炉(HTGR)であり、2001年12月7日に初めて全出力(30MW)を達成した。HTTRの出力上昇試験の中で、15MW,30MW運転から商用電源の手動遮断により商用電源喪失模擬試験を実施した。商用電源喪失直後、ヘリウム循環機及び加圧水ポンプはコーストダウンし、ヘリウム及び加圧水の流量はスクラム設定値まで減少した。原子炉を安全に停止するためには、制御棒の挿入により未臨界状態を維持するとともに炉心黒鉛構造物の過度なコールドショックを防止しながら、補助冷却設備により炉心を継続的に冷却する。商用電源喪失から約50秒後、非常用発電機からの給電により補助冷却設備は起動した。補助冷却設備の起動後、炉内黒鉛構造物である高温プレナムブロックの温度は継続的に低下した。本報は、15MW,30MW運転からの商用電源喪失模擬試験時の動的機器のシーケンス,原子炉及び原子炉冷却設備の過渡挙動について報告するものである。
岩村 公道; 渡辺 博典; 大久保 努; 新谷 文将; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(5), p.413 - 424, 1993/05
被引用回数:2 パーセンタイル:29.79(Nuclear Science & Technology)最高圧力15.5MPaの条件下で、軸方向非均一出力分布を有する三角配列7本ロッド集合体による、定常時及び非定常時限界熱流束(CHF)実験を実施した。定常CHF発生は、サブチャンネル解析コードCOBRA-IV-Iにより計算した局所流動条件をKfKのCHF相関式に適用することにより、10%以内の精度で予測できた。しかしながら、種々のメカニスティックCHFモデルと定常CHFデータとの一致は良好ではなかった。流量低下、出力上昇または流量と出力の同時変化条件下での非定常CHFは、準定常CHF予測手法により、定常CHF実験と同程度の精度で予測できた。本手法の予測精度は30%/s以内の流量低下率及び120%/s以内の出力上昇率の範囲内では過渡変化速度には依存しなかった。扁平二重炉心型高転換軽水炉(HCPWR)の軸固着事故及び制御棒クラスタ飛び出し事故を模擬した熱水力条件下では、CHF発生に対して十分大きな余裕が存在することが明らかとなった。
岩村 公道; 渡辺 博典; 新谷 文将; 大久保 努; 村尾 良夫
JAERI-M 92-050, 46 Pages, 1992/03
高転換軽水炉の運転時及び非定常時の熱水力特性を調べるため、流量及び加熱電力の非定常制御機構を有する高圧小型水ループを製作した。本装置を用いて、扁平二重炉心型高転換軽水炉の、一次冷却材ポンプ軸固着事故と制御棒クラスタ飛び出し事故の模擬試験を実施した。繰り返し試験の結果、流量及び燃料棒表面熱流束の過渡変化を、最適予測コードREFLA/TRACの事故解析結果とよく一致させることができた。本試験ではDNBは発生せず、安全解析結果と一致した。次に、事故模擬試験と同じ出力トランジェント形状のまま、DNBが発生するまで初期出力を上昇させて試験を行なった結果、本炉は十分大きな熱的安全余裕を有することを確認した。非定常時のDNB発生は、サブチャンネル解析コードCOBRA-IV-1により計算された局所流動条件をKfK及びEPRI-ColumbiaのCHF相関式に適用することにより、10%以内の精度で予測することができた。
鈴木 光弘; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; 安濃田 良成; 与能本 泰介; 村田 秀男; 田坂 完二
JAERI-M 90-051, 256 Pages, 1990/03
本報は、BWR/LOCAを模擬したROSA-III実験のデータレポートであり、併せて高温ECC水注入の影響を調べたものである。ROSA-III計画では、炉心冷却に及ぼすECCSの効果を調べるパラメータ実験の1種として、高温(120C)のECC注入実験(RUN940,941)を実施した。RUN940は5%小破断LOCA実験、RUN941は200%破断LOCA実験である。これら2実験の結果と、標準的ECC注入実験(水温40C)のRUN922、926の結果とを比較し、次の結論を得た。5%破断実験ではECC温度の違いによる炉心再冠水過程の燃料棒温度挙動に大きな差異は生じなかった。しかし200%破断実験では、PCT(最高被ふく管温度)に大きな差はないものの、4体の燃料集合体の冷却プロセスに違いが生じ、高温ECC注入により炉心冷却が促進される結果が得られた。これら4実験の分析により、ECC注入後の圧力容器内温度分布についてのデータが得られた。
ROSA-IVグループ
JAERI-M 89-113, 163 Pages, 1989/09
ROSA-IV計画では、大型非定常試験装置(LSTF)において、1次模擬燃料集合体を用い、1985年3月から1988年8月までに計42回の総合実験を実施した。本報は、この期間に実施したLSTF装置及び計装上の変更点、新たなシステム特性試験の結果(流体容積分布と熱損失を含む)及びヒーターロッド材質の物性値を示す。これらは、既報のLSTF装置の説明書(JAERI-M84-237、1985年1月)の増補的役割を持ち、1次炉心を用いたLSTF実験の正確な境界条件を知る上で必要不可欠なものである。
傍島 真
JAERI-M 85-122, 126 Pages, 1985/08
軽水炉の冷却材喪失事故に対する安全防護系の1つである非常用炉心冷却系の炉心冷即性能を評価するために、各種の大規模試験を実施して現象を調べ、また試験結果を用いて解析コードの予測性能を検討した。試験内容には、単一圧力容器からのブローダウン実験、PWR模擬体系における非常用炉心冷却試験、BWRのスプレー冷却試験、大規模な再冠水冷却試験や気液対向流の個別効果試験がある。これらを通じて種々の試験パラメータの影響度評価や熱流動現象の解明を行い、整理結果を解析コードに組込んで予測性能を改良した。また炉心上部流動現象に関するモデルを作成した。非常用炉心冷却系の有効性を多面的に明らかにする中から、現用方式より優れた冷却性能を有する方式をも考案し、それを実証した。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 中村 秀夫; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 村田 秀男; 与能本 泰介; 斯波 正誼
JAERI-M 84-045, 229 Pages, 1984/03
ROSA-III試験装置を用いて行なわれた再循環ポンプ出口側配管の200%破断試験、RUN961の結果をまとめたものである。ROSA-III装置は、BWR/6を容積比1/424に模擬し電気加熱炉心を持つ冷却材喪失事故(LOCA)とECCS性能評価のための総合実験装置である。この試験結果は、解析コードの性能評価のための実験データとして用いることができる。本報では、上記実験データの提供のみならず、大口経のポンプ吸込側破断実験RUN926(200%破断)、RUN929(75%破断)と比較することにより、再循環ループにおいて破断位置が異なる場合にLOCA現象にどの様な影響を及ぼすかについても検討し結論を得た。つまり、実質的な破断口に相当するジェットポンプ駆動部ノズル、再循環ポンプ出口ノズル及び破断口の流路面積がLOCA過程を支配するということである。PCTは894Kであり、ECCSの効果が確かめられた。
傍島 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(8), p.629 - 639, 1981/00
被引用回数:3 パーセンタイル:45.64(Nuclear Science & Technology)冷却材喪失事故の実験現象をよりよく理解し、解析コードの改良に必要な知識を得るために、ROSA-III試験装置の圧力容器を用いて、BWRのスプレー冷却に関する個別効果実験を定常状態の比較的高圧条件で実施した。その結果、種々のスプレー条件に対するエントレインメント率または溢水率が得られた。また上部タイプレートにおける対向流抑制(CCFL)について得たデータを既存の関係式と比較した。対向流抑制が発生すると炉心冷却は著しく劣化すること、落下流による燃料棒冷却は全く不規則で不安定なものであることが実証された。下部からの冠水による炉心冷却についても調べた。
庄司 克彦*; 安川 茂; 佐藤 治
JAERI-M 9095, 126 Pages, 1980/09
本報告書はエネルギーシステム分析の用具としての経済分析モデルの作成について述べたものである。将来のトータルエネルギーシステムの分析には経済システムとエネルギーシステムの相互関係をも総合的に分析する必要がある。そこで、我々はこのようなエネルギー分析に適した経済分析モデルを開発した。このモデルは一般的な経済モデルよりもエネルギー関連指標の分析に力点を置くものであり、また、短期の経済変動を追うよりも長期の経済成長予測に適したモデルとした。なお、経済学的な観点からこのモデルを分類すると、オーブンレオンティエフ型の長期多部門分析モデルである。作成したモデルにより簡単なシミュレーションテストを行った。内挿テストおよび予測シミュレーションの結果はほほ満足出来るものであった。
鈴木 光弘
JAERI-M 8860, 160 Pages, 1980/05
ROSA-II実験は1978年3月で終了したが、その後、解析コードRELAP-4Jを用いて実験結果の解析を行ってきた。本報は、ROSA-II実験の高温測配管ギロチン破断実験(Run419)を対象とした、一連の解析をまとめたものである。解析コードの制約(リスタート時の問題)から、検討する範囲は主としてブローダウン過程となったが、実験結果と比較を行い解析コードの評価と改良すべき点を摘出した。また、ROSA-II実験の流出流量実験データの誤差評価、蒸気発生器から一次系液体への伝熱量と、蒸気発生器での自然放熱量を推定し、実験現象についての理解を深めることができた。これらの結果、RELAP-4Jコードは、ブローダウン過程の主要な変化、たとえば系圧力流出流量の変化等や、炉心の模擬燃料棒の平均的温度変化等を比較的よく表すことができた。しかしACC水の凝縮減圧効果や、ヒートスラブからの伝熱量、更に再冠水過程等については、コードの改良が必要である。